「自由湯」の引き札 [日本・近代史]
先日一時帰国の際、京都の古本市で買った明治時代の「自由湯」という薬の引き札(宣伝広告)。
自由民権をアジった流行歌、川上音二郎の「オッペケペー節」の冒頭に、「権利幸福きらいな人に、自由湯をば飲ましたい、オッペケぺ~」と出てくる、あの「自由湯」だ。もちろん「自由党」にかけられているわけだが、本当に「自由湯」なる薬が存在していたとは。
引き札の口上も振るっている。「大人小児 四季(いちねんぢうの)風邪薬(かぜくすり) 熱醒(ねつさまし) 頭痛(づつう) 逆上(のぼせ) 啖咳(たんせき) 傷冷(ひゑこみ) 暑邪(しよきあたり) 中湿(ねびへ) 霍乱(くわくらん) 腹瀉(くだりばら) 産前産後温ニ吉(さんぜんさんご あたためによし)」。定価二銭の万能薬だ。
ちなみにこの「自由湯」の発売元、「大和国葛上郡御所町」の「本舗 玉巻」はおそらく、戦前から戦後にかけての奈良県の製薬会社「玉巻自由堂薬房」の前身で、少なくとも1970年代までは営業していたようだ。
2018-10-28 14:39