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731部隊の展示を撤去した京大医学部資料館 [東アジア・近代史]

京都大学の医学部資料館が、旧満洲(中国東北)における細菌兵器開発や人体実験で悪名高い731部隊に関する展示パネルを撤去した、というニュース。
「731部隊」展示撤去 京大医学部資料館(『京都新聞』5/20)

京都帝国大学医学部は戦時中、731部隊に多くの研究者を送り込んだのみならず、戦後は同部隊関係者の再就職先にもなった。この恥ずべき戦争犯罪に対し、京大医学部が自ら当事者として検証に乗り出すことは少なからず意義があったはずだが、そのせっかくの機会を放棄してしまったわけだ。組織の負の歴史を隠蔽しようとする卑劣なやり方だ。

iPS細胞やノーベル賞に浮かれる前に、京大医学部は科学研究機関としての自らの薄暗い来歴に対して、正面から向き合わねばならない。そしてこれは京大医学部だけの問題ではない。こうした無責任な隠蔽体質は、理研のSTAP細胞騒ぎにも、そして福島の原発事故をめぐる原子力ムラの問題にも、どこかでつながっている。日本の科学界を内側から腐らせている病巣を、徹底的に摘出せねばならない。さもなければ、また同じような過ちを繰り返すことになるだろう。

長春だより

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