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湖北省での小・中学校教員のストライキ [中国・労働問題]

今月25日、湖北省羅田県の小・中学校の教員数百名が、増給を求めてストライキを行いました。

25日午前10時過ぎ、羅田県にある数か所の小・中学校教員が相次いで授業を停止し、陸続と県の運動広場に集合し、「教師の給料はなぜかくも低いのか」「合法的な賃金がなぜ執行されないのか」等の横断幕を掲げてデモを実施、まもなく県内全域の教員が応援に駆け付け、五、六百名の教員がストライキに参加しました。

2009年に就職したある教員によれば、自分の月給は成果給も合わせてわずか1700元余り(日本円で3万円程度)で、県が支給することになっている毎月500元の補助手当も流用されてしまい、二万元近くが収奪されている、とのこと。

スト勃発後、「党」の羅田県委および県政府の幹部が現場に到着、午後4時半に教員は全員それぞれの学校に戻りました。「党」および政府の担当者は教員代表と交渉し、待遇の引き上げが合意されたということです。

同じ湖北省では、5月にも洪湖市で千余名の教員による増給を求めるストライキが起きています。中国の農村における小中学校教員の待遇はきわめて低く、さらに地方政府の不明朗な会計への不満が重なり、教員たちの怒りが爆発したものだと思われます。

なお、この件に対する中国のネット世論の大部分は教員のストライキを熱烈に支持しています。この点は、学校教員や教員組合に対する異様な憎悪に満ちている日本のネット世論と大きく異なるところでしょう。

http://www.fj.xinhuanet.com/news/2013-12/28/c_118749334.htm

中国の「農民工」の現在(2)――「討薪」 [中国・労働問題]

農村戸籍のまま都市で働き、ほとんどあらゆる社会保障から排除されている農民工。毎年年末になると、農民工の「討薪」(未払い賃金に対する要求運動)が激発します。この年の瀬もまた、全国各地で起きている「討薪」が数多く報道されています。年末にメディアで取り上げられた数多くの「討薪」事件のうち、ごく一部だけを紹介します。

・遼寧省瀋陽市于洪区で、土地開発業者と労務供給会社に対し、173名の農民工が未払い賃金の支払いを要求し続けている。彼らは、氷点下十数度の寒空の下、窓のない未完成の建物の中で、薄い毛布にくるまってわずかな暖を取るという生活を二か月も続けている。開発業者はすでに労務供給会社に対して人件費分の金額を支払っているものの、労務供給会社が労働者にまだ給料を出していないのだという。
http://www.chinanews.com/sh/2013/12-30/5675653.shtml

・山東省萊蕪市の鉄鉱山で働いていた陝西省出身の農民工70数名が、未払い賃金計200万元の支払いを会社に要求したものの、らちが明かないため、市の当局に救済を訴えた。ところが公安は逆に労働者を50日の拘留処分にした。→この事件はネットで流されて世論の憤激を呼び、公式メディアも批判的に報道したため、公安職員らの不正に対して調査が始まり、先週になって会社側はようやく未払い賃金の支払いに合意した。
http://news.iqilu.com/shandong/yuanchuang/2013/1228/1805663.shtml

・江蘇省連雲港市で鉄筋組立工たちが不払い分の給料を要求したものの、会社側がひそかに雇ったとみられる暴力団から暴行を受け、入院した。
http://tv.cntv.cn/video/C10616/fbdb8a579fb24101ba75f420fc1ef149

・北京市の調査によれば、今年の北京市における農民工に対する賃金未払い事件は5004件、約3万5千名の農民工が総計2億8千6百万元の賃金の支払いを要求している、という。
http://epaper.jinghua.cn/html/2013-12/25/content_51133.htm

こうした農民工の「討薪」について、ネット上では農民工の窮状に対する同情と、彼らの人権の抑圧が放置されている現状に対する怒りが充満しています。寒空の下放置されている彼らが暖かい正月を迎えられるよう、願わずにはいられません。

長春だより

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