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中学公民教科書をめぐる政治介入――揺らぐ国境「最前線」の島々 [沖縄・琉球]

中国との領土問題をめぐり日本国の「最前線」に位置する沖縄県八重山諸島。国境に位置する島々での中学校公民教科書の採択をめぐり、文部科学省が露骨な政治介入を行おうとしています。

以下、『琉球新報』10月2日付社説より
http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-213291-storytopic-11.html

(引用始め)
……………
恣意的な法解釈に基づく地方教育行政への政治介入である。八重山教科書問題で文部科学省は、育鵬社教科書を拒否して別の教科書を使う竹富町教育委員会に対し、是正要求を出すことを決めた。

 是正要求に従わなければ、国が自治体を訴える違法確認訴訟も検討するという。小さい自治体にとって訴訟費用の負担は重い。自治体の財政力の弱さを見越した「恫喝」の意図がうかがえる。

 地方教育行政に政治的意思で圧力をかける暴挙は許しがたい。識者は是正要求が最高裁判例に反すると指摘する。竹富町はこの「恫喝」に屈せず、堂々と今の教育行政を続けてほしい。
……………
(引用終わり)

人口わずか4千人足らずの竹富町の教育行政に対して、文科省がスラップ訴訟まがいの恫喝をしてまで政治介入を行うのは、異常な事態といわざるを得ません。そこには、「新しい教科書をつくる会」系の育鵬社の公民教科書に執着する、安倍政権の執拗な政治意志が感じられます。

たかだか数十人にすぎない離島の中学生に特定教科書を配布することに、安倍政権はなぜそこまでこだわるのか?領土問題をめぐる八重山の地政学的位置が背景にあるのは確かでしょうが、さらにそれを利用しながら、公教育に対する政治権力の介入の重大な一線を越えようとしているのではないでしょうか。そうだとすれば、これは日本の公教育全体に危機をもたらしかねない、きわめて深刻な問題です。
タグ:沖縄 八重山

長春だより

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