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国慶節と「黄金週」 [中国・労働問題]

10月1日は中国の「国慶節」。1949年のこの日、北京の天安門広場で中華人民共和国中央人民政府の成立が宣言された。以後、毎年10月1日は国家の最も重要な記念日として盛大に祝われ、さまざまな記念式典が開催される。天安門上の毛沢東の巨大な肖像画も、毎年国慶節前に更新されている。

1999年、中国国務院によって国慶節の公定休日は3日間と定められ、2000年から、国慶節前後の週末を出勤日にするなどの調整によって、連続7日間の休日となった。日本語のゴールデンウィークを輸入して「黄金週」と呼ばれる。

中国政府が「黄金週」を導入した動機は、労働者の休日を増やすことよりも、むしろ人びとの消費を刺激することで経済発展に資することにあったらしい。90年代末に東南アジアで金融危機がおき、中国の輸出産業が悪影響をこうむった際、持続的な経済成長のために国内の需要を喚起する必要が痛感された。そこで政府は、旅行やショッピングなど人々の消費意識を高めることを目的に、春節、労働節(メーデー)および国慶節の年三回、連続7日間を休日とする「黄金週」を設けたのだという。なお2008年から、清明節(4月)・端午節(6月)・中秋節(9月)という伝統的祭日を法定休日として導入する代わりに、メーデーの「黄金週」が廃止されている。国慶節の「黄金週」の存廃についても、最近論争になっている。(http://news.xinhuanet.com/politics/2014-09/25/c_127031580.htm )

国慶節の一週間は、役所、学校のほか多くの会社は休みになる。長春市内のデパートやショッピングモールは、裕福そうな家族連れで大賑わいだ。一方、休暇を取れない労働者は今も少なくない。多くの商店にとってはかきいれどきなので、従業員に休みはない。いつも行く床屋(チェーン店)の理容師も、会社が休みをくれないとこぼしていた。工事現場の労働者は、今日も黙々と作業を続けている。

写真は10月5日、道路建設が急ピッチで続く長春市内の工事現場。
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長春だより

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