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辺野古における海保の許されざる暴力 [沖縄・琉球]

辺野古での海上保安官の暴力がエスカレートしている。無抵抗の市民を拘束するにとどまらず、水中に繰り返し沈める、羽交い絞めに押さえつける、腕を後ろ手に捩じ上げる、後頭部を船底に打ちつける、首根っこを締めつけながら罵声を浴びせる、など公務員としてあるまじき暴行の数々。ある市民は頸椎捻挫で全治10日の怪我を負い、昨日は顎関節捻挫で全治2週間の負傷者が出た。明白な犯罪行為だ。にもかかわらず海上保安庁は知らぬ存ぜぬを通し、職員を処分せずに暴力を野放しにしている。国家機関の黙認のもとで、無抵抗の市民に対する暴力が白昼堂々と行われているのだ。異常事態といわねばならない。

海保は辺野古海域での警備活動について、海上保安庁法第18条1項を持ち出して正当化しようとしているらしい。同法第18条1項は、「海上における犯罪が正に行われようとするのを認めた場合又は天災事変、海難、工作物の損壊、危険物の爆発等危険な事態がある場合であつて、人の生命若しくは身体に危険が及び、又は財産に重大な損害が及ぶおそれがあり、かつ、急を要するとき」に、海上保安官は船舶の停止、進路変更、乗組員等の下船、などの措置を講ずることができる、と定めている。しかし、カヌーに乗った市民による非暴力の抗議表現が、この条項に触れる犯罪とはとうてい考えられない。事実、海上保安庁は逮捕権を行使することなく、その代わりに、海上保安官が非公式の暴力=リンチを市民に対して漫然と振るい続けているのを、放置・黙認しているのだ。

暴行を繰り返す海上保安官はおそらく、国家の安寧秩序を乱すけしからん「不逞の輩」を懲らしめ、痛めつけるのは正しいことだと、信じているに違いない。だがそうした彼の「正義感」は、91年前に軍・内務省の教唆で朝鮮人を手当たり次第に殺しまくった在郷軍人どもや、亀戸で労働運動家11名を殺害した習志野騎兵13連隊の軍人連や、大杉栄・伊藤野枝夫妻と6歳の甥を虐殺した東京憲兵隊の連中などが、非公式の殺人=リンチ実行の際にふくらませていたであろう「正義感」と、本質的にどこが違うのだろうか?上から命令や示唆さえあれば、くだんの海上保安官も同じように嬉々として市民に対し「正義の刃」を振り下ろすかもしれない。恐るべきことだ。

辺野古の海では連日、沖縄の平和的生存権を侵す新基地建設に抗議する非暴力の市民に対し、国家公務員が露骨な暴力を振るい傷つける異常事態がつづいている。この重大な国家犯罪を、沖縄二紙を除き日本のマスメディアはほとんど報道していない。市民やメディアによる監視・批判を受けない国家権力がいかにおぞましい方向に進みかねないかは、この国でも戦前に実証済みだ。今、沖縄で起きかけている事態の深刻さを、私たちははっきりと認識する必要がある。

辺野古新基地:海保拘束、カヌー男性けが【動画あり】(沖縄タイムス、9/11)
http://www.okinawatimes.co.jp/article.php?id=82777

[海保暴力]無抵抗の市民に力ずく 水中沈め、恫喝も(琉球新報、9/11)
http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-231433-storytopic-271.html

海保の暴力表面化 押さえ付け脅し、けが人も(琉球新報、9/11)
http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-231432-storytopic-271.html

[海保暴力]威圧的行為が横行 「組織として問題」(琉球新報、9/11)
http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-231434-storytopic-271.html

[海保暴力]「答えられない」繰り返す 海保、取材に消極的(琉球新報、9/11)
http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-231436-storytopic-271.html

[海保暴力]解説:拘束の根拠説明必要(琉球新報、9/11)
http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-231441-storytopic-271.html

[海保暴力]識者談話 自信なく後ろめたさ(琉球新報、9/11)
http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-231438-storytopic-271.html

[海保暴力]海保職員を告訴 那覇地検が受理(琉球新報、9/11)
http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-231443-storytopic-271.html

長春だより

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