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沖縄有事と戦時動員準備 [沖縄・琉球]

『毎日新聞』(8月3日)の報道。尖閣・沖縄有事をにらんだ戦時動員のための準備が水面下で進んでいる。防衛省は津軽海峡フェリー(北海道函館市)と新日本海フェリー(大阪市)の二社と契約を結び、南西諸島有事の際は二社の高速フェリーを借り上げて自衛隊員を戦闘地域に運び、さらに民間船舶の乗組員をも予備自衛官にする方向で検討中だという。

防衛省:有事の隊員輸送、民間船員も戦地に 予備自衛官として、検討 フェリー2隻借り上げ(毎日新聞、8/3)

予備自衛官(軍隊の予備役に相当)は、平時は民間人としてそれぞれの生業に従事するが、有事の際には防衛召集(いわゆる赤紙)に応召せねばならない義務があり、戦争への参加を強いられる。月額手当わずか4千円のこうした予備自衛官は本来、退官した元自衛官から採用されるものだが、2002年からは自衛官経験のない民間人を、教育訓練(一般者50日、技能者10日)などを経て予備自衛官に採用できるようになった(この新制度は現在陸上自衛隊に限られているが、海上自衛隊にも導入する方向だという)。

つい先日、辺野古のキャンプ・シュワブのゲート前で、民間警備会社ALSOKの従業員が官憲と市民の対峙する最前線に立たされているのを見た。民間の労働者が一片の業務命令によって、本人のよく知らないうちに、国家意志の暴力的貫徹の手段としてすでに動員されはじめているのは、恐るべきことだ。日本の企業風土から言って、こうした命令を従業員が拒否するのはたやすくないだろう。

予備自衛官になれば、有事の際には防衛召集に応じる義務があり、戦場に投入されることから逃れられない。それでも船会社から予備自衛官になれと命じられるならば、乗組員が個人として拒否するのは難しいだろう。ことは船員に限られない。すでに小泉内閣の2004年に成立した国民保護法は、有事の際に国民が必要な協力をするよう努力義務を課しているのだ。

誰も殺さない、殺されないためにはどうすればよいのか。一人ひとりがこの問題を本気で考えねばならない時は迫っている。
タグ:沖縄
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