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女性労働者たちの無念の死――吉林省の家禽工場で120名死亡 [中国・労働問題]

6月3日、私の住む長春市の北側にある徳恵市の家禽工場「宝源豊禽業」で火災があり、労働者120名の尊い命が奪われました。報道によれば、犠牲者の多くは正規の従業員ではなく、農村から出稼ぎにきた「農民工」で、うち9割が女性だったそうです。
http://paper.dzwww.com/ncdz/content/20130607/Articel06002MT.htm
http://news.sina.com.cn/c/2013-06-06/024227324288.shtml
http://news.sina.com.cn/c/2013-06-05/023927312732.shtml

数百人の働く作業場には非常口がなく、非常灯も消火器も消火栓も設置されていませんでした。しかも火災発生時、作業場の正面出入り口には鍵がかかっており、多くの女性労働者が逃げ道もなく、迫り来る火炎と黒煙の中で恐怖に泣き叫びながら命を失いました。

なぜ作業場の出入り口に鍵がかかっていたのか?従業員の話では、勤務中に労働者が勝手にトイレに行ったりして作業場を離れないように、出入り口には常時鍵がかけられていたとのことです。

指摘によれば、「農民工」の多い工場では、労働者の出勤後に出入り口に鍵がかけられることが少なくありません。そのため、いったん火災などの事故が起こると大惨事となるのです。つい先月の24日にも、広東省仏山市の自動車修理工場で火災があり、作業場のシャッターが下ろされていたために、9人の労働者が死亡しました。このように労働者の安全が無視される背景には、農民工に対する差別があるとも言われています。

中国においても近年の利益至上主義の風潮で、企業における労働者の安全は切り捨てられがちです。農民工のほとんどは工会(労働組合)に入ることもできず、権利も尊厳も無視され続けているのです。

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長春だより

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